ドミティアヌス帝の肖像

 《 古代ローマこぼれ話 》 

ドミティアヌス帝(在位81-96)。ー名皇帝ヴェスパシアヌスの息子でティトス帝の弟であるこの人は、性格が陰湿であまり人気のある皇帝ではありませんが、

僕は古代ローマ皇帝の肖像として最も好きな皇帝です。

そのほれぼれするような肖像銀貨がこのたびネットオークションに出品されていました。

僕はドミティアヌスの銀貨は良いものを発行年代順にほぼ集めていますが、また、この度のコイン以上のグレードのものも入手していますが、この肖像ほど立派な風貌のものは見たことさえありませんでした。

ドミティアヌス帝はずんぐりした労務者ふうの風貌をもつ父や兄とちがって、シュッとした、ニヒルな顔立ちをしています。

そのドミティアヌスも、初期の貌はずんぐりしています。また晩年には髪も薄くなって、父や兄にそっくりになってきます。それは発行年代順にコインを見ていけば顕著です。

この機会に、この度出品されたドミティアヌス帝のコイン(上)および、僕の持っている彼の肖像コインの一部を、年代順(中上79年、中下89年、下91-92年)に投稿いたします。

ドミティアヌス帝は親族に暗殺されて、44歳でこの世を去りまます。同じ年にネルヴァ帝が立ち、五賢帝の時代の幕開け。帝国の安定した100年が始まりました。

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