カルヴィーノの日本

イタロ・カルヴィーノはおよそ一か月間、日本に滞在していました。しかし旅行の初めは彼に、それほど良い印象を与えなかったようです

東京から京都に向かう列車のコンパートメントで、カルヴィーノは穏やかで慎ましい少女とたいへん尊大にみえる老婦人と同席します。「一言で言えば、彼女はひどくて不快な老婆です!彼女は非常にわがままで、生意気です!彼女は怪物です!…いったい自分を何様だと思っているのでしょう!」

けれどもカルヴィーノはその後、京都の美しい庭園にこころ慰められ、安倍公房や川端康成らを知って文学談義に花を咲かせるうちに、たちまち日本の魅力にとりつかれてしまうのです

0コメント

  • 1000 / 1000