翻訳されたマリネッティ
『共産党宣言』に触発されて1910年に提唱された『未来派創立宣言』。トリスタン・ツァラ『ダダイズム宣言』の6年前、アンドレ・ブルトン『シュールレアリスム宣言』の9年前にこのマニフェストが騒々しく、高らかに謳われるや、たちまちヨーロッパじゅうを席捲してしまったのだが、その提唱者たるフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティその人の詩や著作そのものが紹介され、話題にされることはなかった。
日本においても、その作品の翻訳はこれまでに2,3の作品が雑誌やアンソロジーに散見されるのみだった。
そのマリネッティの著作が昨年2021年に、まとまった形で出版された。刊行案内をみると、これまでに4冊出ていて、これから出る3冊の図書名がクレジットされている。しかもその発行部数たるや、限定60冊1点、限定30冊2点、限定10冊1点と、きわめて希少だ。ここに登録されていない1点を含む全3冊を、友人に頼んでなんとか手に入れた。
『マリネッティ詩集』
『星の征服』(長編叙事詩集)
『未来派宣言』
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