ガリア皇帝ポストゥムス
《変わり種ローマ皇帝》 ポストゥムス
コインから見えてくる、ちょっと変わり種の古代ローマ皇帝をランダムにご紹介。
まずはポストゥムス(在位260-268)。この皇帝はガリア(現:フランス)出身でしたが、時の皇帝ガッリエヌスに故郷ガリアの管理を任されるや、ガッリエヌスの息子を処刑して名乗りを上げ、勝手にガリア帝国なるものを作って初代皇帝になります。
怒ったガッリエヌス帝がガリアを奪還に向かいますが、負傷して退却、そのうちローマ帝国の仕事が忙しくなり、ポストゥムスはそのまま9年もの間、帝国から公認されない僭称皇帝としてガリアを統治しました。
268年、部下が反乱を起こして一部の土地を占拠、ポストゥムスはこれを取り戻すことに成功しますが、部下に略奪を許さなかったために反感を買い、自軍の兵士に殺害されてしまいます。
いわゆる軍人皇帝時代、世は乱れ、あちこちで勝手に皇帝に立っては自滅していった時代の僭称皇帝の一人でした。この時代のコインは非常に質の悪い銅貨が多い中、ポストゥムスはビロン(低銀)ながら良質の銀貨を発行していました。
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