アルベルト・モラヴィア
アルベルト・モラヴィアが他界したとき、ぼくはちょうどフィレンツェにいて、モラヴィアの元奥さんの友だちだというアドリアーナさんといっしょにかれの ”IL Vitello Marino" の翻訳を検討していた。 急死の知らせに、というよりも、偶然の符牒に僕たちは顔を見合わせた。
翌日から新聞やテレビでモラヴィアの死に関する記事があふれだした。僕はペンシオーネのママ・カッシーニにこれからどんどん出るであろう巨匠に関する情報をまとめて送ってくれるように頼んで、イタリアを後にした。あれから32年になる。
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