アダ。ネグリの詩4.
《アダ・ネグリ Ada Negri の詩》‐4,
霧 Nebbia
かなたより 愁ひのごとく
せまりくる 霧
しずかに ひそやかに
立ちこめり
高みにて烏どち かわかわと啼き
おのがつばさの 黒きをたよりて
果てしらぬ 荒野をわたる
うたてし
大気 刺すかに厳し
痛ましげに 切り株並び
むき出しの根の 唱へし
祈り
独りわれ 悴(かじか)みて
ひと足ごと うすずみの空へ
嘆き声 はや失せ
飛び去れり
してわれにくり返す 来よと
そは谷の 深きくらやみ
あな悲し 失せたる愛に
こち来よの 声...
※これも第一詩集『運命 Fatalità 』(1892年) からの一編で、やはりイタリアの作曲家レスピーギが作曲しています。このたびは七五調では調子が合いませんでしたが、擬古文で訳してみました。
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