不可解な銀貨


 Moneta d'argento misteriosa. 🧐🧐🧐

このコインは今月半ばに落札した銀貨の一つで、僕はこれを紀元4世紀中ごろのコンスタンティウス二世のシルカ銀貨だと確信して入札した。なぜかというと、このコインの表裏の図柄が間違いなくこの皇帝の特徴を示していたからだ。

しかし、届いた銀貨を調べてみると、幾つかの不可解な点が見つかった。

最初に断っておくが、このコインは多くの傍証から、偽物ではなく本物である。古代に打刻された貨幣である。にもかかわらず、調べを進めていくうちに、どうしても見逃せない点が出てきた。

 ① この時代の銀貨はすべてシルカ siliqua 銀貨だが、コンスタンティウス二世のシルカ銀貨の裏面にはこれと同じ図柄のものが存在しない。

 ② シルカ銀貨にしてはやや大きく、分厚く、重量が重すぎる(シルカは2センチ以内、薄っぺらで亀裂があり、せいぜい2グラム程度。)

偽物ではなく(これは大前提)、しかしこれまでの記録にないシルカ銀貨となると、新発見の銀貨ということか? いや、もちろんその可能性は極めて低い。

そこで僕が昨日から考えて結論を出したのは、表面に銀をコーティングした銅貨だということ。

このコインがもし銀貨でなければ、大きさも、厚みも、重さも、図柄も、コンスタンティウス二世の大銅貨の特徴をすべて備えている。このコインはおそらくだが、この大銅貨に溶かした銀を張りつけたものであろう🤔🤔🤔

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