レオナルドのコント

 蜘蛛は鍵穴のなかに終の住処をみつけたと思った。が、彼がそこにみいだしたのは〝死”であった。

   ――ダ=ヴィンチ


 フランスの宮廷料理はもともとイタリアの宮廷料理をベースに発展したものだが、貴族社会のサロンの瀟洒な小咄も、同様に食卓を介してルネサンス期のイタリアからフランス社会にもたらされたものだろう。 レオナルドの上記のような小咄は彼の手記のひまひまに数多く見いだされるが、彼のこうした小咄は書物にまとめるためではなく、会食の席で請われたときのためにストックされたものに違いない。

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