ヴァンパイア
イタリアで最も愛されている怪物といえば吸血鬼、ヴァンパイアではないでしょうか? 血を吸って永遠に生きるダンディな怪物は恐怖と魅惑を兼ね備え、Franco Ⅿistrali, Ⅼuigi Ⅽapuana, をはじめ多くのイタリア作家の想像力を搔き立てました。彼らの作品は今も『吸血鬼物語』など複数のアンソロジーにヒヤリとする冷たい花を添えています。
並みいる作品の中で短編集に多く採り上げられるのが、作家としてはあまり知名度のないエンリコ・ボーニ Ënrico Boni 「ヴァンパイア Vampiro 」。吸血鬼によって壊滅状態にある地方の村を救うべく立ち上がったのは飲んだくれや重病人、いかさま賢者の老人など、あまりパッとしない4人のはぐれ者たちでした。地味な作品ながらスピード感あふれるリアルな状況描写が見事です。
0コメント