モラヴィアの奇想短編
ママメルとヴシテル
Ⅿamamel e Vusitel
過去をたいせつに生きる国民の暮らす国ママメルと、未来に希望を託して生きる国民の国ヴシテル。ママメルを統治しているのはなんと2000年以上前のミイラで、ヴシテルを統治しているのは現在捜査中のだれか! 現在をないがしろにして生きる両極端な二国はやがて争い、相手の国に侵攻し、熾烈な戦争へと発展する。
コミカルに、そして残酷に現代を批判するこの物語は巨匠アルベルト・モラーヴィア Alberto Ⅿoravia『シュールレアリスム短編集 Racconti surrealisti e satirici 』(1975) の中でも傑作とされる一遍。面白く展開しながら、やがて悲しく哀れな結末を迎える歴史に埋もれた二つの架空の国のものがたりだ。
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