「海の上のぶどう園」

何年かぶりに帰郷した女性がふるさとで遭遇した象徴的な、ある種神話的なできごと。美しい海と、そこで起こる痛ましい事件。短い物語のなかに散りばめられたいくつかの鮮烈なイメージを通して、女性はいつしか現実に引きもどされ、夫の待つ家庭へと帰っていく。三島由紀夫の短編「真夏の死」を思わせる、印象派の短編映画のような作品である

グラツィア・デレッダの晩年の短編集『海の上のぶどう園』(1931年)の表題作品。ちなみにこの短編集には全26編の短編が収録されています

イタリア文学館

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