セラーオ、愛憎のナポリ
マティルデ・セラーオ
(1856-1927)
ナポリ人の父親とギリシャ貴族の母親との間に生まれたナポリの女流作家。男性顔負けの雄渾な歴史小説を得意とし、代表作に『ナポリのはらわた』ほか、『ファンタジア』(1883年)『ローマ征服』(1885年)など多数。
「瀕死のナポリ」はナポリで発生し10000人近い犠牲者を出したコレラの猖獗をうけて、その原因となったナポリの貧困や衛生問題を時の首相に宛てて辛辣かつ克明に暴き出した告発の書。当時もとても問題になりましたが、いまでも広く読まれているベストセラーです。細菌とウィルスは違いますが、パニックに対する社会的な取り組みとして現代にも一脈通じるテーゼがあります。(★写真は別の図書です)
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